黄色いエプロンのウォンバットがろくろの前に座り、幅の広い土の鉢を形づくっている。そばの土の山から芽が出ている

五行の土

種を育て、重みを受け止める大地

『書経』は土を「稼穡」、つまり種をまいて実りを刈り取る働きと表します。田畑が稲を育て、地盤が家を支え、山が川の流れに形を与えるように、土は受け止めて育てる役回りです。方角は中央、色は黄。季節の割り当ては少し変わっていて、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの直前、約18日間を土に当てます。これが「土用」で、夏の土用の丑の日という呼び名もここから来ています。

十干の戊(つちのえ)と己(つちのと)が土です。戊は陽の土で山や堤防、己は陰の土で手入れの行き届いた畑にたとえられます。十二支で土に当たるのは辰・戌・丑・未の四つで、五行の中でいちばん多く、たつ・いぬ・うし・ひつじの年がそれにあたります。この四つの支が春・夏・秋・冬それぞれの最後の月に置かれているのは、季節の受け渡しを土が取り持つと考えられたためです。

対応表

五行季節方角色十干十二支
土土用(季節の変わり目)中央黄戊己辰戌丑未たつ、いぬ、うし、ひつじ

伝統的な性格のイメージ

伝統的には、土は「信」と結びつけられ、約束を守り、言ったことを忘れない性質とされます。職場でいえば、手続きの流れや誰が何の担当かを覚えていて、困ったらまず声をかけられる人。町内会の役員を何年も淡々と続ける人、実家の引っ越しには時間どおりに車を出して現れる人。転職や大きな買い物は、計算してから動きます。そのぶん腰が重く、急な予定変更にはまず様子を見て、納得してから乗る傾向があるとも言われます。

相生と相剋

火は土を生じます。焼けた草木の灰が畑に戻り、土を肥やすイメージです。土は金を生じます。鉱石や金属は地中深くで、長い時間をかけて土に抱かれて育つと考えられました。木は土を剋します。木の根が土をしっかりつかむので、斜面は崩れにくくなります。土は水を剋します。堤防や田んぼのあぜが水をせき止め、流れを決まった場所へ導きます。土は抑えられることで締まり、水は抑えられることであふれずにすむ。剋はそうした調整として描かれています。

命式の中の土

土が多い

戊・己が天干に並び、地支に辰・戌・丑・未がいくつも入る命式は、土が多い形です。伝統的には、腰がすわっていて信頼され、物事を受け止める器が大きい人と読まれます。土が厚すぎると、固まった地面に水がしみこまないように、変化を受け入れるのに時間がかかり、考えが一か所にとどまりやすいという見方もあります。日干と生まれた季節で評価は変わります。

土がない

土がない命式は、天干に戊・己がなく、地支にも辰・戌・丑・未が一つもない場合に限られます。十二支の三分の一が土なので、該当するのは少数派です。しかも寅・巳・申の蔵干には戊、午には己が入っていて、土は下に隠れていることがほとんどです。土がないこと自体は悪くなく、土が要る命式かどうかは日干の強弱と全体の構成で決まります。

日干が土の人

日干が戊(つちのえ)か己(つちのと)の人は土の日干です。戊は山や城壁のような陽の土で、どっしり構え、周りが騒いでも動じない安心感があるとされます。そのかわり一度決めた立ち位置からはなかなか動きません。己は田畑のような陰の土で、人や物事を受け入れて育てるのが得意。細かい気配りがきく一方、頼まれごとを抱え込みやすい面もあります。戊は守り、己は育てる、と対比されます。

自分の五行を調べる

よくある質問

土用と五行の土は同じもの?

同じ考え方から来ています。五行では春を木、夏を火、秋を金、冬を水に当て、残った土を各季節の終わりに割り振りました。それが立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間、土用です。四柱推命では、辰・未・戌・丑の月がそれぞれ春・夏・秋・冬の最後の月にあたり、地支の土として数えます。

土がない命式は落ち着きがない?

土がないことだけで性格は決められません。土がないというのは天干にも地支の本気にも土が出ていないという意味で、寅・巳・申・午の蔵干に土が含まれていることがよくあります。黄色や名前で土を足すという民間の考え方もありますが、この診断では扱っていません。命式全体を見ると、土がなくても釣り合いが取れている形は十分ありえます。

陰陽五行と四柱推命は伝統文化として楽しむためのもので、将来の出来事を予言するものではありません。健康・お金・法律に関わることは、それぞれの専門家に相談してください。