カップル喧嘩の仲直り方法は?ケンカの裏にある本音と5つの対立スタイル

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レッサーパンダと柴犬が並んで床に座っている。柴犬は腕を組んで少しむくれてそっぽを向き、レッサーパンダはちらりと横目で見ながら、切ったリンゴのお皿を柴犬のほうへそっと押している

この記事のポイント

  • ケンカがあること自体は、関係が壊れている証拠ではありません。研究者が見るのは、良い言葉と悪い言葉の比率と、そのあとの修復です。
  • ケンカは、ささいな摩擦、解決できる問題、ずっと残る価値観の違い、越えてはいけない線の4種類に分けると、それぞれ合う対処が違います。
  • 対立スタイルは「自分の立場を守る」と「相手の必要に応える」の2軸で5つに分かれます。誰でも5つを混ぜて使っています。
  • 片方が話したくて、片方が離れたい追いかけと逃げのループは、どちらか一方が反応を変えるだけでゆるみます。
  • 仲直りは3ステップです。約20分の休憩で体を冷まし、気持ちを修復し、やわらかい切り出しで話に戻ります。

カップル喧嘩の仲直りは、まず火を小さくするところから始まります。少し距離をとって体を落ち着かせ、気持ちの修復をして、そのあとで引き金になった話に戻る、という順番です。同じ手順でも、自然にできる人もいれば、「話し合おう」と言われた時点で逃げたくなる人もいて、その差は、ケンカの対処スタイルの違いです。多くのケンカの下には、言葉にならなかった願いがあります。そして、脅しや暴力が出てきたら、それはもうコミュニケーションの問題ではありません。

カップル喧嘩とは?ぶつかっているのは出来事で、痛いのは言えなかった本音

ケンカがあること自体は、関係が壊れているサインではありません。研究者が見ているのは、言い合いの中の良い言葉と悪い言葉の比率と、ケンカのあとに関係を修復できるかどうかです。

関係研究者のゴットマン(John Gottman)とレーベンソン(Robert Levenson)は、1970年代から、カップルに研究室で15分間、意見の分かれる話題を話し合ってもらい、その後の何年かを追いかけてきました。ゴットマン研究所の整理では、安定していて満足度も高いカップルは、衝突の最中に否定的なやりとりが1回あるたび、肯定的なやりとりを5回以上返しています。気づかいの一言、冗談、うなずきなどです。この比率が1対1、あるいはそれ以下になると、気をつけたい合図です。同じ記事は、ゴットマンの見方も紹介しています。怒りそのものが関係を傷つけるとは限らず、批判や軽蔑や防衛と結びついたときに、傷つけるものになる、という考えです。

よく引用される数字がもうひとつあります。ゴットマンのチームは、カップルの衝突の約69%が、性格や暮らし方の根本的な違いから来る「解決しない問題」だと見積もっています。何度も繰り返し出てくる種類の問題です。「またあの件でケンカしてる」は珍しくありません。大事なのは、話し合いを続けられることです。

いちばん激しいケンカほど、ケンカの中身そのものではないことが多いものです。表向きはお皿の話でも、下には「私のがんばり、見えてる?」という問いが隠れています。

表面上の言い合い下にある願い言葉にするなら
LINEが既読になって3時間たっても返信がない自分は相手の中で何番目か知りたいすぐ返してほしいわけじゃなくて、手が空いたときに私のことを思い出してほしい
年末年始はどっちの実家に先に帰るか自分の家族も尊重されたいこだわっているのは公平さで、絶対にうちが先じゃなくていい
洗い物がシンクに3日たまっている頑張りを見てほしい、分担を公平にしたいちょっと疲れてるから、当番を決められないかな
彼がまた新しいイヤホンを買った将来への安心感がほしい貯金が気になってしまうから、毎月の上限を一緒に決めたい
デートにまた20分遅れてきた大事にされている実感がほしい待っている間、自分が大事じゃない気がしてくる
友達の前でいじられたメンツを保ちたい、守ってほしいあの冗談はきつかった。二人のときに言ってもらえるほうが受け止められる

願いが言葉にならないまま残ると、ケンカは「お皿」から「私のことなんてどうでもいいんでしょ」まで、一気にエスカレートしやすくなります。右の列を口にできれば、ケンカが小さいうちに収まる可能性が上がります。

喧嘩は4種類に分けて考える:合う対処がそれぞれ違う

同じコミュニケーションの技術でも、ケンカの種類が違うと効き目が正反対になることがあります。最初にすることは、いま起きているのがどの種類かを見分けることです。

ネットのアドバイスはひとつの型にまとまりがちです。「必ず『私は』で始める」「相手を責めない」。研究が示す答えは、もう少し細かく分かれます。McNulty と Russell(2010)は新婚夫婦の2つのグループを追い、相手を責める、要求する、拒否するといった「直接的な否定的コミュニケーション」が、小さな問題しかないカップルでは満足度をより速く下げることを見つけました。一方、深刻な問題を抱えたカップルでは、同じ直接的な伝え方が、満足度の安定と結びついていました。問題が実際に扱われたからです。遠回しな否定的コミュニケーションは、問題の大小にかかわらず、満足度の低さと結びついていました。

Overall と McNulty(2017)のレビューは、さらにはっきり述べています。問題が深刻で、相手にも変わる力があるなら、はっきり反対を伝えることは役に立ちます。ただ、相手に十分な安心感がなく受け止めきれない場合は、同じ率直さが傷つけることもあります。問題が小さい、変えられない、あるいは相手が防衛的になっているときは、やさしく、認めて、愛情を込めた伝え方のほうが役に立ちます。

この考え方に沿うと、ケンカは4種類に分けられます。

ケンカの種類日常の例効きやすい方向よくある失敗
ささいな摩擦夕食のメニュー、エアコンの設定温度一歩譲る、冗談にする、さっと折衷する「いつもそう」に格上げしてしまう
解決できる問題家事の分担、週末の予定はっきり伝えて、一緒にルールを決めるほのめかして、相手が気づくのを待つ
ずっと残る違い貯金派と使う派、人と会う元気の差違いを受け入れ、定期的に話し、一度で解決しようとしない毎回、相手を説得しようとする
越えてはいけない線侮辱、脅し、スマホやお金の管理まず安全を確保し、外部の助けを借りる自分の伝え方が悪いのだと抱え込む

同じ話題でも、カップルによって入る欄は変わります。ゴットマン研究所の説明では、家事、しつけ、それぞれの実家との付き合いは、一度話せば解決するカップルもいれば、価値観に触れて何度も戻ってくるカップルもいます。判断がつかないときは、「この件でルールを一つ決めたら、自分は本当に安心できるか」と自分に聞いてみます。安心できるなら、解決できる問題であることが多く、できないなら、ずっと残る違いで、必要なのは続ける対話です。4つ目の欄は、コミュニケーション技術の範囲の外にあるため、あとで独立した節にしています。

庭に動かせない大きな岩があり、レッサーパンダと柴犬がそれぞれの側から岩にもたれて頬づえをつき、にこにこしている。岩の上には温かいお茶が2杯
動かせない岩のような違いは、押しのけずに、ときどき座って話せば十分です。

どんな喧嘩の仕方をする?5つの対立スタイル

意見がぶつかったとき、人は誰でも2つのことの間でバランスをとっています。自分の立場を守るか、相手の必要に応えるかです。この2軸を交差させると、5つの対立スタイルが出てきます。

この「2つの関心」の枠組みは、組織心理学で何十年も使われてきました。Thomas(1992)は、「自分の主張を貫く」と「相手に合わせる」の2つの次元から5つの対処モードを切り出してきた経緯を振り返っています。Rahim(1983)も、似た2軸で対人的な対立スタイルの尺度をつくりました。職場の研修でよく使われるトーマス・キルマン・コンフリクト・モード・インストゥルメント(TKI)も、この流れに属します。当サイトのコミュニケーションタイプ診断も同じ2軸を使いますが、設問も名前も独自に作ったもので、TKIや市販の尺度ではありません。

5つのスタイルは、呼び方が資料によってばらつくため、ここで対応をそろえておきます。

当サイトの名前(愛称)一般的な呼び方ケンカのときの様子パートナーに誤解されがちなこと
はっきり主張型(直球サイ)競争型その場で話を切り出し、理由を説明する勝ちたいだけだと思われる
一緒に解決型(架け橋オランウータン)協調型両方の必要を並べて話したいささいなことまで会議にすると思われる
歩み寄り型(落としどころカバ)妥協型すぐに折衷案を出す早く終わらせたいだけだと思われる
いったん保留型(ひと呼吸ナマケモノ)回避型いったん場を離れて、あとで話すどうでもいいと思っていると誤解される
相手優先型(ゆずり上手アルパカ)順応型、受容型先に譲り、先に謝る意見がないと思われる

5つに優劣はありません。前の節の研究を重ねて見ると、はっきりします。直球サイの「はっきり切り出す」は、深刻で変えるべき問題ではまさに効く手です。エアコンの温度で使えば、ケンカ好きに見えかねません。ひと呼吸ナマケモノの休憩は、二人とも制御が利かなくなりかけたときの救いになります。ただ、休憩のあとに戻ってこなければ、相手には逃げているようにしか映りません。ゆずり上手アルパカが小さなことで譲るのは寛大さですが、譲りすぎると自分の必要が少しずつ消えていきます。この点は人に合わせすぎる傾向と重なる部分があります。落としどころカバの折衷は効率的な反面、お互いにいちばん大事にしている部分まで半分ずつ削ってしまう危うさがあります。架け橋オランウータンは教科書の理想にいちばん近い代わりに、時間がかかり、相手に意欲がないときはいちばん疲れます。

誰でも5つすべてを使い、割合が違うだけです。パートナーに使う手と、上司に使う手が違う人もいます。当サイトの診断は30問で、そのうち20問は職場、パートナー、家族、友達といった場面の状況設問、10問は同意の程度で答える設問です。結果には、5つのモードそれぞれの使用スコア(0〜100点。50点はでたらめに答えたときの平均的な素点に対応)と、メインモード、サブモード、いちばん使わないモードが出ます。

診断後は、ふたりで結果を見せ合うのがおすすめです。相手がナマケモノだとわかれば、「ちょっと考えさせて」を「どうでもいい」と読まずにすみます。

いちばん行き詰まりやすい組み合わせ:片方は話したい、片方は離れたい

カップルのケンカでよく起きる行き詰まりは、片方が今すぐ話したくて、片方がいったん離れたい場合です。追うほど逃げ、逃げるほど追う。研究では、これを「要求と退却」のパターン(demand/withdraw)と呼びます。

このパターンは「女性が問い詰めて、男性が逃げる」と言われがちですが、実際の研究はそこまで単純ではありません。Christensen と Heavey(1990)は、31組の夫婦に2つの話題を話し合ってもらいました。1つは妻が夫に変わってほしいこと、もう1つは夫が妻に変わってほしいことです。全体としては、「妻が追い、夫が退く」ほうが、逆よりも多く見られました。ただ、その差が出たのは、妻が変えたいことを話したときだけで、夫が変えたいことを話すときは、2つの向きに目立った違いはありませんでした。さらに、夫でも妻でも、自分の望む変化を話すときは追及しがちで、相手から求められた変化を話すときは退きがちでした。誰が追い、誰が逃げるかは、性別のほかに、「現状を変えたいのは誰か」でも大きく決まります。

屋上の物干し場で、レッサーパンダが前かがみになって折りたたんだ紙を差し出し、柴犬はキャンバス地のバッグをつかんで少し後ろに引いて、ぎこちなく笑っている
現状を変えたい側が先に追い、求められた側は後ろに引きやすくなります。

このループが与える影響は小さくありません。Schrodt、Witt、Shimkowski(2014)は、74件の研究、合計14,255人分のデータを統合し、要求と退却のパターンが、個人、関係、コミュニケーションでの否定的な結果と、中程度の関連を持つこと(r=.36)を見つけました。すでに悩みを抱えているカップルでは、関連がやや強くなります。

5つのスタイルに当てはめると、もっとも行き詰まりやすいのは、直球サイか架け橋オランウータン(話したい)と、ひと呼吸ナマケモノ(離れたい)の組み合わせです。追う側がもともと不安型愛着寄りで、退く側が回避型愛着寄りなら、このループはとくに見覚えがあるはずです。4つの愛着のタイプを先に知りたければ、愛着スタイルとはにまとめています。愛着の視点で描くと、ループはこんなふうに回ります。

不安型 × 回避型:追いかける・逃げるのループ不安型が確認を求める(連続でメッセージ:「もう一回だけ確かめたい」) → 回避型が引いて距離をとる(「忙しい」と返信:「ちょっと頭を冷やしたい」) → 不安型がさらに焦って追いかける(昔のことを蒸し返す:「本当は好きじゃないんでしょ」) → 回避型はもっと逃げたくなる(「何をしても責められる」)、追うほど逃げ、逃げるほど追う:→ 不安型が確認を求める、回避型ができること:返事の時間を約束する、不安型ができること:まず自分を落ち着かせる、ふたりとも安心を探しています。相手が変わるのを待たなくても大丈夫。どちらか一方が反応を変えるだけで、ループはゆるみはじめます。追うほど逃げ、逃げるほど追う不安型が確認を求める連続でメッセージ:「もう一回だけ確かめたい」回避型が引いて距離をとる「忙しい」と返信:「ちょっと頭を冷やしたい」不安型がさらに焦って追いかける昔のことを蒸し返す:「本当は好きじゃないんでしょ」回避型はもっと逃げたくなる「何をしても責められる」回避型ができること:返事の時間を約束する不安型ができること:まず自分を落ち着かせる
ふたりとも安心を探しています。相手が変わるのを待たなくても大丈夫。どちらか一方が反応を変えるだけで、ループはゆるみはじめます。

このループをほどくのに、相手が先に変わるのを待つ必要はありません。話したい側は、「今すぐはっきりさせたい」を「急がないから、9時に話そう」に変えられます。離れたい側は、「消える」を「30分ほしい。9時には戻る」に変えられます。どちらか一方が反応を変えれば、次の一周は回りにくくなります。

「追う人」と「逃げる人」という固定のラベルを、二人に貼らないことも大切です。Christensen と Heavey の結果では、話題が変わると役割も入れ替わりえます。貯金の話では自分が追い、相手が逃げても、彼の職場に近いところへ引っ越すかどうかの話では、相手が追い、自分が逃げるかもしれません。「誰が悪いのか」を争うより、落ち着いているときに「この件、現状を変えたいのはどっち?」と聞いてみます。答えが出れば、どちらが先にペースを落とし、どちらが先に戻ってくるべきかが見えてきます。

ほかの組み合わせにも、それぞれ踏みやすい落とし穴があります。

組み合わせケンカの様子試したいこと避けたいこと
サイ × サイどちらが大声か競って、どんどん離れる一人が話し終えてから、もう一人が返す約束をするグループトークや友達の前でケンカする
サイ × アルパカすぐ仲直りするが、アルパカが黙って貸しをためるサイが自分から「そっちはどう?」と聞く沈黙を同意とみなす
カバ × オランウータン片方は早く、片方は深く進めたい今日は何を決めるのか、先に合意しておくわからないまま「半分ずつ」と言い出す
アルパカ × アルパカ二人とも「なんでもいい」で、問題を誰も出さない交代で「実はこっちがいい」と先に言う推測で動いて、外れてからもやもやする
ナマケモノ × ナマケモノケンカは少ないが、問題が残り続ける週に一度、やることの相談時間を固定するケンカがないのを問題なしと考える

カップル喧嘩の仲直り:冷やす、修復する、話に戻る3ステップ

仲直りには順番があります。まず体を冷まし、次に気持ちを修復して、最後にその件を扱います。ケンカが終わった途端に理屈で説明しようとすると、そのまま第2ラウンドになりがちです。

ステップ1:約20分の休憩を取り、何時に戻るかを決めておく

ケンカがいちばん激しいとき、心拍は上がり、呼吸は浅くなって、何を言われても耳に入りません。ゴットマンはこの状態を感情の洪水(flooding)と呼びます。ゴットマン研究所が勧めているのは、約20分の休憩を取り、自分が落ち着くことをして、頭の中で反撃の練習をしないことです。ある実験も紹介されています。研究者が機器の調整を口実に、言い争い中のカップルを中断して、その話題には触れずに30分雑誌を読んでもらいました。そのあとで話し始めると、二人の心拍は目に見えてゆっくりになり、やりとりも前向きになっていたそうです。

日本の暮らしなら、コンビニまで飲み物を買いに行く、近所を一周歩く、お風呂に入る、といったところでしょうか。伝え方は、戻ってくることが相手にわかるものにします。

  • 「今は興奮しすぎていて、このまま続けたらもっとひどいことを言ってしまう。30分ちょうだい。10時にリビングでまた話そう」
  • 「この話をやめたいんじゃなくて、もう少しいい状態で話したいの」

ひと呼吸ナマケモノは、後半の一言を忘れないでください。休憩に戻る時間がないと、相手には冷戦にしか感じられません。

レッサーパンダが水筒を持って玄関のドアのそばに立ち、散歩に出かけると手を振っている。スリッパは玄関にきちんと並び、柴犬は靴箱のそばに座って、温かいお茶を抱えて見送っている
休憩は立ち去ることではありません。戻る時間を決めれば、冷静が冷戦にならずにすみます。

ステップ2:歩み寄りの一言を出し、相手の一言も受け取る

修復の試み(repair attempt)は、ゴットマンの中心概念のひとつです。否定的な感情がそれ以上エスカレートしないようにする、あらゆる一言や動作を指し、ばかばかしいものでも構いません。ゴットマン研究所の記事によると、修復の試みがくり返し失敗するのは、関係の先行きが厳しいサインだとされています。ケンカの最中に批判や防衛が出るカップルでも、修復できさえすれば、関係は持ちこたえます。

歩み寄りの手は、ごく小さくて構いません。相手がいつも飲む缶コーヒーを差し出す、二人にしかわからないLINEのスタンプを送る、「さっきのって、お皿の話だった?それとも別の話?」と聞いてみる。受け取る側も同じくらい大事です。相手が手を伸ばしたら、まず握ります。不満はあとから言えます。差し出した手が何度も払われると、やがて誰も手を伸ばさなくなります。

修復する力は、ふだんから貯めておくものでもあります。Driver と Gottman(2004)は、新婚夫婦49組の、自宅での10分間の夕食と、衝突についての15分の話し合いを観察しました。ふだんのやりとりに遊び心があり、盛り上がるカップルほど、ケンカのときにもユーモアややさしさが出やすかったそうです。研究者は、これは相関の研究で、因果関係は言えないとも注意しています。日々の好意の貯め方は、愛の言語の5つの表し方が参考になります。

5つのスタイルそれぞれに、口にしやすい修復の切り出しがあります。

  • 直球サイ:「さっきは言うのが早すぎた。先にそっちの話を聞かせて。聞いてからこっちも話す」
  • 架け橋オランウータン:「今日は結論が出なくてもいい。まず、二人とも大丈夫か確かめたい」
  • 落としどころカバ:「半分ずつにする前に、いちばん譲れないのはどこか教えて」
  • ひと呼吸ナマケモノ:「さっきは冷静になる時間が必要だった。戻ってきたから、続きを話そう」
  • ゆずり上手アルパカ:「さっき『大丈夫』って言ったけど、本当は少し大丈夫じゃなかった」

ネットでは「否定的な感情が24時間を超えると修復が難しくなる」のような、細かい数字も出回っています。対応する元の研究は、見つかりませんでした。時間を数えるより、誰かが歩み寄りの手を出しはじめているかを見るほうが、参考になります。

ステップ3:話に戻るときは、最初の3分がいちばん大事

Carrère と Gottman(1999)は、新婚夫婦124組の15分間の衝突の話し合いを分析し、最初の3分間の肯定と否定の感情を見るだけで、6年後の結婚の結果を予測できることを見つけました。ゴットマン研究所はここから、話し合いの始まり方が、たいてい終わり方になると注意しています。攻撃で始めれば、終わりまで少なくとも同じくらい張りつめたままです。ただし割り引いて受け取る必要があります。この種の予測の精度は、多くの場合、同じサンプルの中で計算されたもので、交差検証をすると大きく下がります(Heyman & Smith Slep、2001)。「どんな始め方が危ないか」の注意書きとして受け止めるくらいがちょうどいいでしょう。

やわらかい切り出しの型は、起きたこと、自分の気持ち、具体的なお願い、の3つです。「あなた」を「私」に変えます。ゴットマンのいう「4つの災い」のうち、批判、軽蔑、防衛、逃避(石壁のように黙る)は関係をとくに傷つけ、なかでも軽蔑は離婚のいちばん強い予測因子とされています。言い換えるときは、まずこの4つを取り除きます。

きつい切り出し(第2ラウンドになりやすい)やわらかい切り出し(話を続けやすい)
また既読スルー?私のことなんてどうでもいいんでしょ3通送って返事がなくて、少し焦った。手が空いたら一言もらえる?
いつもそう、家事はずっと私ばかり洗い物が3日目になって、ちょっと疲れちゃった。交代制にしない?
あなたのお母さんは私が気に入らないのよこの前の食事会の言葉がつらかった。次はどう受け止めるか、一緒に考えたい
私のことなんて大事じゃないんでしょ今週、少し放っておかれた気がしてる。週末に半日、二人だけの時間がほしい

ケンカが「ずっと残る違い」だったなら、ステップ3のゴールは「結論を出すこと」でなくて構いません。ゴットマン研究所の説明では、大切なのは、受け入れる気持ちで、ときにはユーモアも交えながら、その話題を続けられるかどうかです。話し合えなくなった「ずっと残る問題」は動かなくなり、最後には二人の気持ちを少しずつ離していきます。

ケンカと暴力は別物:コミュニケーションの問題ではなくなる場面

ケンカでは、二人とも意見を言えて、意見が違っていても構いません。怖さ、支配、傷つきを伴う行為が出てきたら、ケンカのスタイルではなく、安全の問題です。

比べるところケンカ(どんなに激しくてもこちら)越えている
話す余地二人とも「いやだ」と言える一方が決め、もう一方は反対できない
使う手段大声、きつい言葉。あとで謝る物を壊す、押す、叩く。別れる、自傷すると脅して従わせる
ふだんの生活ケンカのあとは、それぞれ普段どおりスマホをチェックする、誰と会うか管理する、お金を握る
自分の感じ方怒り、悔しさ怖い。顔色をうかがわないと口を開けない

日本の配偶者暴力防止法(DV防止法)は、配偶者(事実婚を含む)からの身体に対する暴力と、それに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を対象にしています(第1条)。生活の本拠を共にする交際相手にも、この法律の規定が準用されます(第28条の2)。同居していない恋人の場合は扱いが変わるため、法律上どうなるかはここでは判断しません。日本では、内閣府が「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」を、ドメスティック・バイオレンス(DV)と呼ぶことが多いと説明しています。相談先には、状況を伝えれば適切な窓口を案内してもらえます。

ケンカのあとの次の一歩:今週できる練習と、専門家に相談したいとき

ケンカは、関係からなくなりません。練習できるのは、ケンカの前に決めておく約束、途中の休憩、終わってから話に戻ることです。

今週、まず小さく4つやってみます。

  1. 休憩の合図を決める:二人とも落ち着いている夜を選び、休憩のときの一言と、戻る時間の目安を決めます。ゴットマン研究所の記事には、ケンカが手に負えなくなりそうなとき、アメフトの審判が使う黄色いフラッグを投げるカップルが出てきます。旗が見えたら、二人ともいったん止まる約束です。
  2. いちばんよくするケンカを分類する:第2節の表を使い、ささいな摩擦か、解決できる問題か、ずっと残る違いかを判断します。そのうえで、ルールを決めるか、定期的に話す約束をするかを選びます。
  3. お互いの対立スタイルを教え合う:それぞれが対立スタイルの診断を受け、相手のメインモードで「なるほど」と思った点と、ケンカのときに相手にもう一つしてほしいことを話します。
  4. 毎日、少しずつ好意を貯める:具体的な「ありがとう」の一言、ハグは、ケンカのときに修復できる元手になります。ケンカのあと、気持ちが落ち着くまでとても時間がかかる人は、感情の扱い方の練習から始めるのも手です。
扇風機が回るリビングで、レッサーパンダが笑ってオレンジ色の小さな旗を掲げ、そばで柴犬が笑い声を立てている。ローテーブルには温かいお茶が2杯
二人とも落ち着いているうちに休憩の合図を決めておくと、ケンカの途中でも止まれます。

次のような場合は、カップルカウンセリングや個人カウンセリングを考えてもよいでしょう。同じ件でずっとケンカして、いつも同じところで行き詰まる。ケンカの中で軽蔑や侮辱がよく出る。どちらかがもう修復したくなくなっている。ケンカのせいで、長く眠れない、仕事に響く。相手が一緒に行きたがらないときは、ひとりで先に行くのも役に立ちます。少なくとも、ループの中の自分の分は見えてきます。気持ちが落ち込んで支えきれないときは、よりそいホットライン(0120-279-338、無料)に電話できます。支配や脅し、暴力が絡むときは、前の節のDV相談ナビ(#8008)へ。

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よくある質問

ケンカとは何ですか?

強い感情を伴いながら、意見をぶつけ合うコミュニケーションのことです。多くのケンカは、表面上は一つの出来事をめぐる言い合いですが、その下には「大事にされたい」「公平でいたい」といった、言葉にならない願いがあります。関係の研究者が重く見るのは、ケンカの回数よりも、言い合いの仕方と、そのあとの修復です。

カップル喧嘩の仲直りはどうすればいいですか?

まず約20分の休憩を取って体を落ち着かせ、「何時に戻って話すか」を決めておきます。次に「さっきは言いすぎた」と自分の非を認めるなどの一言で、気持ちを修復します。そのあと、「起きたこと、自分の気持ち、具体的なお願い」の順で引き金になった話に戻ります。相手が歩み寄りの手を出してきたら、まず受け取り、不満はあとで伝えれば大丈夫です。

カップルでケンカばかりするのは普通ですか?

ケンカがあること自体は、ごく普通です。ゴットマンらのチームは、カップルの衝突の約69%が、性格や暮らし方の根本的な違いから来ると見積もっています。何度も出てくるのが自然な話題です。見ておきたいのは、ケンカの中に軽蔑や侮辱が頻繁に出ないか、終わったあとに修復できているかです。同じ場所でずっと行き詰まるなら、カップルカウンセリングも選択肢です。

ケンカのあとの冷却期間はどのくらい必要ですか?

体が落ち着くのに、およそ20分以上かかります。その間は、頭の中で言い返す練習をせず、別のことをして過ごします。気持ちの面での仲直りにかかる時間は人それぞれです。休憩に入るとき「少し冷静になりたい。何時に戻って話そう」と伝えておけば、休憩に終わりが見えて、冷戦に長引きにくくなります。

ケンカのあと冷戦になったらどうすればいいですか?

まず、相手が落ち着こうとしているのか、沈黙で罰しようとしているのかを見分けます。責めない一通を送り、時間を添えて提案してみます。たとえば「昨日のこと、ちゃんと話したいな。準備ができたら教えて」といった形です。冷戦がケンカのたびの定番の終わり方になっているなら、二人とも落ち着いているときに、次回の休憩のルールを決めておくのがおすすめです。

ケンカとDVの違いは何ですか?

ケンカでは、二人とも意見を言えて、「いやだ」と言えます。物を投げる、押す、叩く、脅す、あるいはスマホのチェックや交友関係の制限、お金の管理で怖さを感じるなら、もうケンカの線を越えています。日本では、DV相談ナビ(#8008)で最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながり、DV相談+は24時間の電話とチャットで受け付けています。差し迫った危険があれば110番へ。

参考文献

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診断と記事はセルフチェックのためのもので、医学的な診断や治療に代わるものではありません。つらいときは、専門家やお住まいの地域の相談窓口、よりそいホットライン(0120-279-338、無料)などにご相談ください。

この記事は、Type of You編集部がAIの助けを借りて文献の整理と執筆を行い、末尾の参考文献と一つひとつ照らし合わせて確認しています。イラストは当サイトのキャラクター設定をもとにAIで生成しています。