好感度診断で何がわかる?人に好かれることと研究の関係
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この記事のポイント
- 好感度診断が記録するのは、自分の行動への自己評価です。
- 紹介する研究では、人は会話相手からの好意を低く見積もっていました。
- 性別による評価の差は、支配的な行動の表し方によって異なります。
- 診断の5つの側面は当サイト独自の枠組みで、研究のモデルではありません。
好感度診断が記録するのは、自分の習慣をどう評価しているかです。点数は自分自身への見方を表し、特定の誰かがどう思っているかまではわかりません。
新しい同僚と初めてランチをしたあと、読書会に初参加した帰り、引っ越し先で隣人と言葉を交わしたあと。「感じよく話せたかな。相手は私をどう思ったかな」と気になることがあります。研究では、こうした疑問を実際の測定で確かめています。その結果には、ひとつの点数だけでは見えない違いがあります。医学的な診断や、人の価値の順位づけをするものではありません。
好感度診断が表すのは、自分への評価です
好感度診断は、自分の行動や気持ちを自分で答える、自己報告式の質問票です。結果もその回答から計算されるため、点数は自己評価の要約になります。
KennyとDePaulo(1993)は、8つの研究、計569人の参加者を検討しました。テーマは「他人からどう見られているかを、どの程度正確に把握しているか」を意味するメタ正確性(meta-accuracy)です。著者らは、人が他人からの見られ方を判断するとき、受け取ったフィードバックよりも、自分自身への認識をもとにしていると論じています。
また、このレビューでは、人は他人から全般的にどう見られているかについては比較的よく理解していても、特定の相手からの見られ方については理解が乏しいとしています。編集部としては、自己報告式の好感度の点数は、まず自己イメージを記録するもので、他人の見方の予測として読める範囲は限られると考えています。
短い質問票から人気の程度を点数にする商用サイトもあります。当サイトの「好感度診断」も質問票で、日常の場面や自分の習慣について答える30問、目安は約6分、無料です。診断ページでは自己探索のためのものと説明しており、編集部も同じ位置づけで扱っています。
診断の5つの側面:温かさ、聞く力、明るさ、信頼感、謙虚さ
診断が採点する5つの側面は、当サイト独自の枠組みです。引用した研究は、好感度がこの5つで構成されると確立したものではありません。質問票で尋ねられるよう、行動をいくつかのまとまりに分けた分類です。

温かさ(warmth)は、相手への関心や親しみを示すことです。聞く力(listening)は、相手の話に注意を向けることです。明るさ(positivity)は、会話に持ち込む気分を指します。信頼感(reliability)は、約束を守ることです。謙虚さ(humility)は、間違いをしたときや、褒められたときの向き合い方を指します。この短い説明は、編集部の言葉で表したものです。
レポートには5つの側面の点数に加えて、好感度スコア、ステージ、第一印象の魅力と長く続く魅力の違い、そして「7日間 好感度チャレンジ」があります。第一印象の指標は温かさ・聞く力・明るさの平均、長く続く魅力の指標は信頼感・謙虚さの平均です。ステージの区切りは、一般的な回答を想定したシミュレーションで調整しています。実際の回答者集団の統計から作った基準ではありません。どの質問も自己報告なので、点数が高くても低くても、読み取れる範囲は同じです。回答が示すのは、自分の行動を自分がどう捉えているかです。
好意のギャップ:初対面の相手の好意を低く見積もる傾向
紹介する研究では、新しい知り合いとの会話後に、相手からの好意を低く見積もる傾向がありました。研究者はこの傾向を「好意のギャップ」、英語でliking gapと呼んでいます。日本語では「ライキングギャップ」とも表記されます。
Boothbyら(2018)は、5つの研究を含む論文でこの概念を提案しました。会話後、人は相手がどれほど自分を好きか、また、一緒に過ごす時間をどれほど楽しんだかを、系統的に低く見積もっていました。実験室で初めて会った人同士、大学寮のルームメイトと知り合う新入生、自己成長をテーマにしたワークショップで出会った一般の参加者に、この差が見られました。
会話の長さによって差が変わるという明確な証拠は得られませんでした。ルームメイトの研究では、数か月にわたって差が見られましたが、最後の測定時点では統計的に有意な差は見られなくなりました。

Sprecher(2025)は、米国中西部にある大規模な公立大学で行われた、初対面の交流に関する12の研究を統合しました。参加者は計1,835人で、女性が83.0%、平均年齢は19.82歳でした。7段階の尺度で、自分が相手を好きな程度の平均は5.26点、「相手は自分をどれほど好きだと思うか」の平均は4.71点でした。この比較で得られる、知覚された好意のギャップの効果量はd = .70でした。
もうひとつの比較では、「相手は自分をどれほど好きだと思うか」と、相手自身が回答した好意の程度を比べ、d = .42が得られました。Sprecherは、点数そのものの差は7段階の尺度で約0.5点にすぎないと指摘しています。
Sprecherの対象は、実験室の研究に参加した大学生です。著者は、実生活の場面や、別の年齢層・文化集団では、好意のギャップがより大きい可能性も、小さい可能性もあるとしています。Mastroianniら(2021)は、少人数のグループや、共同でプロジェクトに取り組むエンジニアのチームでも、この差を報告しました。また、同僚同士の関係で差が最も大きいことを示唆する証拠もありました。
| 研究 | 参加者 | 場面 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Boothbyら 2018 | 初対面の人・大学寮の新入生・一般参加者 | 実験室・大学寮・ワークショップ | 好意を過小評価。寮では数か月持続 |
| Sprecher 2025 | 大学生1,835人(女性83.0%) | 米国中西部の大学の12研究 | 推測4.71/自分の好意5.26(7段階) |
編集部の解釈では、この結果は限られた範囲で安心につながります。これらのサンプルでは、好かれているという本人の感覚が、相手の報告した好意よりも低かったのです。
好かれていることと、人気があることは違います
研究では、実際に好かれることと、人気があると見なされることを区別しています。CillessenとRose(2005)は、地位の高い青少年を2つの集団に分けて説明しました。ひとつは、仲間から本当に好かれ、人を助けるなどの向社会的な行動が中心の集団です。もうひとつは、人気があると見なされるものの、必ずしも好かれているとは限らない集団です。
後者は、よく知られ、交友関係の中心にいて、他人からまねされる存在でした。一方で、向社会的な行動と、攻撃的・操作的な行動が混在していました。これは若者を対象とした研究の話です。

別の研究の流れでは、人がどのような特徴で相手を判断するかを扱っています。Fiske、Cuddy、Glick(2007)のレビューは、温かさと能力を、社会的認知の2つの普遍的な軸として説明しています。温かく、能力もあると見なされる人への感情や行動は肯定的になると論じています。
当サイトの5つの側面にある「温かさ」は、この研究の温かさの軸と同じ英語のwarmthを使っています。ただし、当サイトの分類を、この2つの軸から導いたわけではありません。
人に親切にすることと、人に合わせすぎることの関係は、顔色をうかがう性格でも扱っています。
好感度と能力が絡むと、研究結果は条件によって異なります
女性の支配的な行動や成功が、好かれやすさにどの程度の不利益をもたらすかについては、研究ごとに結果が異なり、研究の設計にも違いがあります。
HeilmanとOkimoto(2007)は、3つの実験で、従来男性の仕事とされてきた領域で成功した女性への否定的な評価を検討しました。参加した学部生は、それぞれ75人、96人、46人でした。人への配慮や協調性に関わる共同性(communality)が欠けていると推測されることが、その評価につながるという仮説です。
共同性が明確に示され、それを本人の特徴だと判断できる条件では、好感度、対人敵意、上司になってほしい程度の評価に見られた否定的な反応が和らぎました。母親であるという役割情報や、行動の説明で共同性を示した場合も含まれます。研究は、学部生が架空の管理職の書面資料を評価する実験です。この結果だけで、実際の職場で誰がどう評価されるかを予測することはできません。
RudmanとGlick(2001)の実験では、ラトガース大学の学生が、男性的、または女性的な特徴を求める管理職の職務記述をもとに、応募者の採用を判断しました。女性的な職務では、自分から主張して行動する能動性(agentic)を示した女性が、十分に親切ではないと見なされ、採用上の差別を受けました。著者らは、これを参加者の潜在的な能動性と共同性についてのステレオタイプと関連づけています。男性的・女性的とされる両方の特徴を備えた(androgynous)女性応募者は、差別を受けませんでした。
WilliamsとTiedens(2016)は、支配的な行動への評価を扱う研究を統合しました。性別を直接扱わない論文も含まれています。男性と比べると、支配的な行動は女性の好感度をより下げましたが、全体の効果量は小さく、d = −0.19、k = 63でした。直接要求するような明示的な支配行動ではd = −0.28、視線を合わせるような暗黙的な行動ではd = 0.03でした。
採用されやすさへの影響はより大きく、d = −0.58、k = 20でした。一方、支配的な行動が能力評価に及ぼす影響には、男女で差が認められませんでした(d = 0.02、k = 31)。
| 比較点 | HeilmanとOkimoto 2007 | WilliamsとTiedens 2016 |
|---|---|---|
| 研究設計 | 3つの実験 | 支配行動への評価のメタ分析 |
| 対象 | 架空の管理職の資料を読む学部生 | 支配行動への評価を扱った研究 |
| 女性の好感度 | 本人の共同性が明確な場合、否定的評価が軽減 | 全体の低下は小さく、明示で大きめ |
| 限界・範囲 | 書面資料。職場への一般化には限界 | 性別を直接扱わない論文も含む |
この2つの論文は、測っているものが異なります。ひとつは文章で示した状況で、提案された仕組みを検証しています。もうひとつは、複数の研究の効果量をまとめています。編集部としては、どちらも「仕事で成功した女性は必ず好かれなくなる」という主張を支持するものではないと考えています。両者から言える範囲はもっと狭く、好感度が下がる程度や条件は、研究によって異なるということです。
研究から言えることには限界があります
引用した研究が扱っているのは、それぞれ特定の集団です。好意のギャップの対象には、実験室で会った人、大学寮のルームメイト、ワークショップ参加者、統合された大学生のサンプルが含まれます。HeilmanとOkimotoの対象は、書面の説明を読んだ学部生でした。結果が説明するのは、これらのサンプルにおける傾向です。

KennyとDePauloのレビューは、他人からの見られ方をどの程度把握しているかを扱っています。本人の回答だけを集める質問票は、それを直接測っていません。
Sprecherは、統合したサンプルの好意のギャップを、7段階の尺度で約0.5点と説明しています。WilliamsとTiedensは、全体としての好感度への不利益は小さいと報告しています。どちらも平均の差であり、その平均だけでは、ある日のある会話が実際にどう進んだかまでは説明できません。
今回取り上げた研究は、当サイトの好感度診断の点数が、他人による回答者への実際の評価と一致するかを検証したものではありません。そのため、当サイトの好感度診断の点数は、自分の行動を振り返るきっかけとして扱えるものです。
7日間の記録:会話での予想と相手の反応
7日間の記録は、予想していたことと実際に起きたことを並べる方法で、好感度が変わるという研究上の主張は伴いません。
当サイトの好感度診断のレポートには、独自の「7日間 好感度チャレンジ」があります。ここで紹介する記録は、それとは別に編集部が考えた振り返りの練習です。
記録の初日は、その週の会話でどれくらい好かれそうかという予想を、1から7の点数で残します。その後は毎晩、2行のメモを作る形です。1行目には、その日の会話をひとつ記録します。たとえば、新しい隣人と話したときや、読書会が終わったときのやり取りです。2行目には、相手が実際にしたことが入ります。質問を返してくれた、その場に残って話を続けてくれた、といった反応です。7日目には、初日の予想とその記録を比べます。

これは、1週間の記録というだけの練習です。効果はまだ検証されておらず、引用した研究も、この練習によって人から好かれる程度が変わるとは示していません。うまくいかない会話があっても、それは記録の中の1行です。
診断してみる
よくある質問
自分が人に好かれているか、診断でわかりますか?
質問への回答だけではわかりません。好感度診断が記録するのは、自分の行動をどう評価しているかです。KennyとDePaulo(1993)は8研究、計569人を検討し、人は自己認識をもとに他人からの見られ方を推測すると論じています。初対面の会話研究では、相手の好意を低く見積もる傾向がありました。
好意のギャップとは何ですか?
会話後に、相手が自分をどれほど好いているか、一緒に過ごす時間をどれほど楽しんだかを低く見積もる傾向です。Boothbyら(2018)は、初対面の人や大学寮のルームメイト、ワークショップ参加者で確認しました。Sprecher(2025)が統合した米国の大学生1,835人では、平均の差は7段階評価で約0.5点でした。
好かれる人と人気者は同じですか?
若者を対象とした研究では区別されています。CillessenとRose(2005)は、実際に仲間から好かれる人と、人気があると見なされても必ずしも好かれていない人という、地位の高い2つの集団を説明しました。青少年の研究なので、大人の友人関係や職場にそのまま当てはめることはできません。
人に好かれる人には、どんな特徴がありますか?
紹介する研究から、共通の特徴をひとつの一覧にはできません。Fiske、Cuddy、Glick(2007)は、他人を判断する軸として温かさと能力を挙げています。好感度診断の温かさ、聞く力、明るさ、信頼感、謙虚さという5つの側面は、当サイト独自の分類で、この研究のモデルとは異なります。
参考文献
- The Liking Gap in Conversations: Do People Like Us More Than We Think? · Psychological Science, 29(11), 1742-1756 (Boothby, Cooney, Sandstrom & Clark) · 2018 · doi.org
- Liking gap(s) in getting-acquainted interactions · The Journal of Social Psychology, 166(5), 650-655 (Sprecher; online first 2025, issue 2026) · 2025 · doi.org
- The liking gap in groups and teams · Organizational Behavior and Human Decision Processes, 162, 109-122 (Mastroianni, Cooney, Boothby & Reece) · 2021 · doi.org
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- Do people know how others view them? An empirical and theoretical account · Psychological Bulletin, 114(1), 145-161 (Kenny & DePaulo) · 1993 · doi.org
- Understanding Popularity in the Peer System · Current Directions in Psychological Science, 14(2), 102-105 (Cillessen & Rose) · 2005 · doi.org
- Universal dimensions of social cognition: warmth and competence · Trends in Cognitive Sciences, 11(2), 77-83 (Fiske, Cuddy & Glick) · 2007 · doi.org
- Why are women penalized for success at male tasks? The implied communality deficit · Journal of Applied Psychology, 92(1), 81-92 (Heilman & Okimoto) · 2007 · doi.org
- Prescriptive Gender Stereotypes and Backlash Toward Agentic Women · Journal of Social Issues, 57(4), 743-762 (Rudman & Glick) · 2001 · doi.org
- The subtle suspension of backlash: A meta-analysis of penalties for women’s implicit and explicit dominance behavior · Psychological Bulletin, 142(2), 165-197 (Williams & Tiedens) · 2016 · doi.org
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